掛軸とは
掛軸とは、書画を布や紙で表装して、床の間などの壁に掛けられるように仕立てたものです。仏壇の掛軸は、仏様の絵像や名号など、宗派によって種類が異なります。信仰の中心となる仏様をご本尊(ごほんぞん)と呼び、その掛軸を仏壇のなかで一番高い段の中央に安置して、左右に脇侍(わきじ)という対になる掛軸を並べます。掛軸は「幅(ふく)」という数え方なので、ご本尊と脇侍を合わせた三幅で1セットになります。
各宗派の掛軸
ご本尊と脇侍は各宗派で異なり、同じ宗派でも地域によって違う場合があります。分からない場合は、お寺様に確認されると良いでしょう。
浄土真宗本願寺派と真宗大谷派の違い
浄土真宗本願寺派と真宗大谷派の阿弥陀如来は、とても似ていますが微妙に違います。阿弥陀如来の背後には、放射光背と呼ばれる線が描かれ、後光を発している様子を表しています。その放射光背が仏画の上端にかかっており、浄土真宗本願寺派は8本、真宗大谷派は6本と決まっているのです。どちらの宗派の阿弥陀如来か分からないときは、放射光背を数えると一目瞭然です。
現代掛軸とは
伝統的な掛軸は、緯糸(よこいと)に金糸を織り込んで紋様を描いた金襴という布地が使われており、吊り下げ金具やスタンド式のフックに掛けて飾ります。宗派によって金襴の色使いや紋様が異なり、華やかな輝きを放ちます。 現代掛軸はあえて金襴を使わず、モダンな現代仏壇とコーディネートするため、シンプルなデザインにしました。しっかりと安定感のある自立式でスッキリとした造形は、どの現代仏壇にも似合います。また仏画も、伝統的な色彩を継承しながら彩度を抑えたオリジナルの配色にしており、落ち着いた雰囲気を漂わしています。