よくわかる!仏壇を配置する向き・置き場所・方角とは
仏壇を置く向きに決まりはあるの?安置する方角はどこがいいの?とお客様から質問を受けることが多くあります。マンションなどの住宅事情で仏壇を置くスペースがなかったり、昔ながらの習わしを聞いたりしているのかも知れませんね。一般的にも暮らしの中に息づく慣習には、ちゃんとした理由があります。どんな意味や願いが込められているかを知れば、不必要なトラブルを避けられてスッキリするはず。仏壇を初めて購入する方や仏事についてよく知らない方も分かりやすいように解説いたします。
- 仏壇の向きに決まりはない・・・十方諸仏の考え方
- 南面北座説・・・仏壇の北を背面に南を正面に
- 西方浄土説・・・極楽浄土のある西に拝む
- 本山中心説・・・本山に向かって礼拝する
仏壇の向きに決まりはない
仏壇の向きや置き場所、方角は特に決まりはなく、全方向OKです。仏教では「十方諸仏(じゅっぽうしょぶつ)」という思想があり、十方とは東西南北の4つと、乾(いぬい)の北西、坤(ひつじさる)の南西、艮(うしとら)の北東、巽(たつみ)の南東の4つに、上下の2つを合わせた10の方角です。つまり、あらゆる方角に無数の仏様が存在するという考え方であり、仏壇をどの向きに置いても構わないのです。
どの向きに仏壇を置いても良いのに、どうして気にする人が多いの?伝え聞いた話は嘘だったの?と驚かれたでしょうか。
昔の日本家屋には仏壇を置くための部屋「仏間」がありました。新しく家を建てる時は、大切な仏様とご先祖様をお祀りする「仏間」の場所を最初に決めてから設計してたそうです。本来はどの向きでも良いのですが、一番最初に置き場所を決めるなら、最適な所を選ぶのは当然ですよね。仏壇の置き場所について3つの考え方を紹介いたします。
どの向きに仏壇を置いても良いのに、どうして気にする人が多いの?伝え聞いた話は嘘だったの?と驚かれたでしょうか。
昔の日本家屋には仏壇を置くための部屋「仏間」がありました。新しく家を建てる時は、大切な仏様とご先祖様をお祀りする「仏間」の場所を最初に決めてから設計してたそうです。本来はどの向きでも良いのですが、一番最初に置き場所を決めるなら、最適な所を選ぶのは当然ですよね。仏壇の置き場所について3つの考え方を紹介いたします。
南面北座説
南面北座は文字通り、南に顔を向けて北に背中にして座る配置です。仏壇の扉が南で背中が北になります。古くより北の空に位置する北極星は、正しい方角を示す道しるべであり、全ての星々の中心と考えられてきました。
また、古代中国の聖人孔子の言葉をまとめた論語に「天子は南面す」とあり、皇帝が北を背中にして南向きに座り人民を治めたことを意味しています。中国の長安を参考にした平安京はこの思想を取り入れて天皇の住まう大内裏を南向きに造られています。古い京都の地図を見れば、一目瞭然ですね。東西南北を碁盤の目のように道路が作られ、大内裏が北に位置しており南の羅生門まで朱雀大路で結ばれています。その考え方から大切な床の間や仏間、神棚を北に置いて南に向けるようになりました。
臨済宗や曹洞宗は、お釈迦様が説法をするときに南向きに座ったとされることから南向きが多いそうです。
また、古代中国の聖人孔子の言葉をまとめた論語に「天子は南面す」とあり、皇帝が北を背中にして南向きに座り人民を治めたことを意味しています。中国の長安を参考にした平安京はこの思想を取り入れて天皇の住まう大内裏を南向きに造られています。古い京都の地図を見れば、一目瞭然ですね。東西南北を碁盤の目のように道路が作られ、大内裏が北に位置しており南の羅生門まで朱雀大路で結ばれています。その考え方から大切な床の間や仏間、神棚を北に置いて南に向けるようになりました。
臨済宗や曹洞宗は、お釈迦様が説法をするときに南向きに座ったとされることから南向きが多いそうです。
西方浄土説
浄土とは苦しみや悩みのない、悟りを開いた仏様の住む世界です。浄土は一つだけではなく仏様の数だけ存在します。薬師如来の「浄瑠璃浄土」やお釈迦様の「霊山浄土」など様々ある浄土の中で最も有名なのが、西方の十万億仏土を隔てた彼方にあるという阿弥陀如来の「西方極楽浄土」だと思います。十万憶仏土の単位は仏土です。1仏土は、仏様が治めるひとつの国土のこと。つまり人間では計り知れないほど遠い距離ですが、向きだけはしっかり分かっているのです。
仏壇の背面を西に正面を東に配置すると、お参りする人が西の方角に向かって手を合わせることになり、仏壇の遥か向こうにある西方極楽浄土の阿弥陀如来に祈りが届くという考え方です。主に阿弥陀如来を本尊とする浄土真宗・浄土宗・天台宗に多いです。
仏壇の背面を西に正面を東に配置すると、お参りする人が西の方角に向かって手を合わせることになり、仏壇の遥か向こうにある西方極楽浄土の阿弥陀如来に祈りが届くという考え方です。主に阿弥陀如来を本尊とする浄土真宗・浄土宗・天台宗に多いです。
本山中心説
仏教は長い歴史の中で様々な宗派に分かれ、代表的なもので13宗派あります。仏壇に手を合わせるとき、その先にある宗派の本山も一緒に拝めるように配置するのが本山中心説です。本山は宗派を統括する本寺のことで、宗派によって総本山や大本山、別格本山とも呼ばれます。つまり、信仰する宗派と住んでいる場所によって、仏壇を置く方角が異なるということです。真言宗は、開祖の弘法大師・空海が今も生きているという和歌山県の高野山に向かって礼拝するように仏壇を置くスタイルが多いそうです。
【13宗派の本山と場所】
・法相宗(興福寺・薬師寺/奈良県)
・華厳宗(東大寺/奈良県)
・律宗(唐招提寺/奈良県)
・天台宗(比叡山延暦寺/滋賀県)
・真言宗(金剛峰寺/和歌山県)
・融通念佛宗(大念佛寺/大阪府)
・浄土宗(知恩院/京都府)
・浄土真宗(東本願寺・西本願寺/京都府)
・時宗(清浄光寺/神奈川県)
・臨済宗(建仁寺/京都府)
・曹洞宗(永平寺/福井県、總持寺/神奈川県)
・黄檗宗(萬福寺/京都府)
・日蓮宗(見延山久遠寺/山梨県)
各宗派の違いはコラム「宗派別の仏壇」をお読みください。
【13宗派の本山と場所】
・法相宗(興福寺・薬師寺/奈良県)
・華厳宗(東大寺/奈良県)
・律宗(唐招提寺/奈良県)
・天台宗(比叡山延暦寺/滋賀県)
・真言宗(金剛峰寺/和歌山県)
・融通念佛宗(大念佛寺/大阪府)
・浄土宗(知恩院/京都府)
・浄土真宗(東本願寺・西本願寺/京都府)
・時宗(清浄光寺/神奈川県)
・臨済宗(建仁寺/京都府)
・曹洞宗(永平寺/福井県、總持寺/神奈川県)
・黄檗宗(萬福寺/京都府)
・日蓮宗(見延山久遠寺/山梨県)
各宗派の違いはコラム「宗派別の仏壇」をお読みください。
まとめ
仏壇の向きや置き場所、方角に決まりはなく、祈りが届くようにそれぞれの説があるという事がお分かりいただけたでしょうか。また、仏壇を南に置いて北向きにするのを避けるように言われるのは、仏壇に直射日光が当たって傷みやすいからです。壁や遮光カーテンで日差しを遮りましょう。気になる方はコラム「仏壇の北向きはダメ?その理由とたった2つの対策」をご覧ください。
現代仏壇は、家族の集まるリビングや食卓を囲むダイニングに置いても調和するモダンな仏壇です。様々な素材とデザインからお部屋のイメージに合わせて選ぶことが出来ます。まずは仏壇に手を合わせた時を具体的にイメージしてみましょう。故人を身近に感じながら日々の出来事を話しかけたり、お花やお線香をお供えしたり、心にしっくりくる場所が良いと思います。
現代仏壇は、家族の集まるリビングや食卓を囲むダイニングに置いても調和するモダンな仏壇です。様々な素材とデザインからお部屋のイメージに合わせて選ぶことが出来ます。まずは仏壇に手を合わせた時を具体的にイメージしてみましょう。故人を身近に感じながら日々の出来事を話しかけたり、お花やお線香をお供えしたり、心にしっくりくる場所が良いと思います。
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2015年9月14日
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