仏壇のお手入れ方法

現代仏壇は木材の美しさを引き立てて、永くご愛用いいただくために塗装をしています。日々のお手入れは塗装によって異なりますので、それぞれの特徴と方法についてご紹介いたします。

ウレタン塗装

ウレタン塗装
ウレタン塗装は、ウレタン系樹脂を主成分にする塗料を吹き付けて、表面を硬い塗膜で覆う仕上げ方法です。耐久性・耐水性・耐熱性に優れており、多くの現代仏壇に用いています。
  • やわらかい布で木目に沿って、軽く乾拭きしてください。
  • 汚れた場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、やわらかい布を浸して固く絞り、汚れを拭き取ります。そのあと、水に浸したやわらかい布を固く絞って、洗剤が残らないように水拭きします。最後に乾いたやわらかい布で拭いて、水分を取り除いてください。

ポリエステル塗装

ポリエステル塗装
ポリエステル塗装はピアノなどに用いられる塗装方法で、塗膜に厚みがあり、光沢のある仕上りが特徴です。柔軟性に欠けており衝撃で傷つくことがあります。
  • はたきでホコリや塵を払ってから、やわらかい布で軽く乾拭きしてください。小さな塵でも、強い力で拭くとスリ傷の原因になりますのでご注意ください。
  • 汚れた場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、やわらかい布を浸して固く絞り、汚れを拭き取ります。そのあと、水に浸したやわらかい布を固く絞って、洗剤が残らないように水拭きします。最後に乾いたやわらかい布で拭いて、水分を取り除いてください。

ラッカー塗装

ラッカー塗装
ラッカー塗装は、揮発性の高い溶剤に樹脂を溶かした塗料を用います。乾燥すると溶剤が蒸発して塗膜が固まり、しっとりとした仕上がりが特徴。塗膜が薄くて自然な仕上り感がある一方、ウレタン塗装よりも熱や水・薬品などに弱い性質があります。
  • やわらかい布で木目に沿って、軽く乾拭きしてください。
  • 汚れた場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、やわらかい布を浸して固く絞り、汚れを拭き取ります。そのあと、水に浸したやわらかい布を固く絞って、洗剤が残らないように水拭きします。最後に乾いたやわらかい布で拭いて、水分を取り除いてください。
  • アルコールやシンナーなどは、塗装を溶かしてしまうので使わないでください。

漆塗

漆塗
漆塗は、ウルシ科ウルシ属の落葉樹から採取される乳白色の樹液を精製して塗料を作り、数多くの工程のなかで何度も塗り重ねます。日本で古くから使われており、福井県の鳥浜貝塚では、縄文時代の地層から世界最古となる1万2年前の漆製品が発掘されています。
  • はたきでホコリや塵を軽く払ってから、清潔なやわらかい布でやさしく乾拭きしてください。
  • 水拭きは控えてください。
  • 汚れた場合は、販売店にご相談ください。

オイルフィニッシュ

オイルフィニッシュ
オイルフィニッシュは表面に塗膜を作らないため、傷や汚れ、水、熱に弱いですが、天然木の持つ本来の美しさと木質感を楽しめ、長年使い込むと味わいが深まります。
  • やわらかい布で木目に沿って、軽く乾拭きしてください。
  • 2~3ケ月ごとに定期的なメンテナンスを行います。家具用のオイルをやわらかな布に少しつけて、薄くのばしながら全体に塗ってください。10分ほどしたら、乾いたやわらかい布で乾拭きします。オイルが馴染むまで半日ほどおいて、しっかりと乾燥させます。
  • オイルによっては、染み込んだ布を放置すると自然発火することがありますのでご注意ください。

木目柄化粧板

木目柄化粧板
木目柄化粧板は、専用の台紙に木目を印刷して独自のコーティングを施したシートを貼っています。スリ傷や汚れに強く、室内建具や内装によく使われています。
  • やわらかい布で軽く乾拭きしてください。
  • 汚れた場合は、ぬるま湯に中性洗剤を薄めて、やわらかい布を浸して固く絞り、汚れを拭き取ります。そのあと、水に浸したやわらかい布を固く絞って、洗剤が残らないように水拭きします。最後に乾いたやわらかい布で拭いて、水分を取り除いてください。

【 お手入れの注意 】

  • 硬い布で強く拭いたり、砂やホコリをこすったりすると、スリ傷の原因になりますのでご注意ください。
  • アルコール・ベンジン・シンナーなど揮発油系のものを使用しないでください。
  • 化学薬品を染み込ませたクロスやモップは使用しないでください。シミを作ったり変色したりする恐れがあります。
  • 布や人工皮革の部分は水拭きしないでください。