無宗派の仏壇の飾り方

無宗派とは

最近は、無宗派の仏壇にしたいという方が増えています。「実家に宗派の仏壇があるので、自宅は無宗派で供養したい」「父が仏教、母がキリスト教だった。宗教にとらわれない祈りの場所を作りたい」「お寺様を呼ばないで、と遺言された」など、ご家庭によって理由は様々です。
無宗派といっても、多くの場合は特定の宗教を信仰していないということで、無宗教や無神論とは違います。例えば、クリスマスを祝ったり除夜の鐘を鳴らしたり、神社で初詣をするのは宗教的行為ですが、行事として自然に行われていて、宗教の違いに疑問を感じることはありません。その柔軟な発想の根底には、自然万物に八百万の神が宿っているという日本独特の宗教観があります。

無宗派とは

無宗派の仏壇

仏教が伝来する以前、日本は古来より霊棚(たまだな)と呼ばれる棚でご先祖様をお祀りしていました。遥か昔のご先祖様から脈々と受け継がれてきた命の繋がりを思えば、誰もが手を合わせて感謝すると思います。宗教の枠にはまらず、素直な心で命と向き合うのが、無宗派の仏壇と言えるのではないでしょうか。

無宗派の仏壇

無宗派の飾り方

無宗派の飾り方に決まりはありません。先入観にとらわれず、「こんな風にしたい」という気持ちに沿って形づくるようにお勧めしています。ご先祖様や故人への想いを込めた飾り方をすることで、心から手を合わせられると思います。ギャラリーメモリアではお客様の言葉に耳を傾けて、その気持ちを形にするお手伝いをしています。

【無宗派の飾り方 ケース①】

無宗派の飾り方

「墓も仏壇もいらない」という遺言だけど、何もないのは寂しすぎるとお悩みのA様。亡くなったご主人と一緒に登った山々の写真を仏壇の扉に飾られました。登山仲間が集まった時は「次はどこに行こうか」と相談をする傍らで、ご主人の笑顔が見守ってくださるそうです。

【無宗派の飾り方 ケース②】

無宗派の飾り方

嫁ぎ先でご両親の手元供養をしたいというB様は、それぞれの愛用品をコアボトル(骨壷)に納められました。「おはよう」「おやすみなさい」と手を合わせて挨拶することで、一日の区切りがついて気持ちに張りが出たと仰います。

【無宗派の飾り方 ケース②】

無宗派の飾り方

引っ越しをされたC様は、長年お付き合いのあった寺院から離れて縁遠くなったとのご相談。仏壇の買い替えを機に無宗派を選ばれました。位牌には「先祖代々の霊位」だけを刻み、毎朝ご自身でお経を唱えて、ご先祖様へ感謝の気持ちを捧げておられるそうです。