仏像とは
仏像について
仏像とは、仏様の姿を形にした像のことです。木材や石の彫刻、粘土の塑像、乾漆、金属などで造られています。仏像の中でも寺院の本堂や仏壇の中心に安置され、信仰の対象となる最も大切な仏様はご本尊(ごほんぞん)と呼ばれ、宗派によって異なります。
各宗派のご本尊
天台宗・・・阿弥陀如来
真言宗・・・大日如来
日蓮宗・・・曼荼羅(掛軸のみ)
浄土宗・・・阿弥陀如来
浄土真宗本願寺派・・・阿弥陀如来
真宗大谷派・・・阿弥陀如来
臨済宗・・・釈迦如来
曹洞宗・・・釈迦如来
仏像の種類
仏様が、指で輪を作ったり両手を組み合わせたりする手の形を印相(または印)といいます。印相はそれぞれに意味があり、そのポーズから仏様を見分けることができます。
釈迦如来
釈迦如来によく見られる印相は、手のひらを見せるように右手を上げて左手を下げるポーズで、右手を施無畏印(せむいいん)、左手を与願印(よがんいん)と言います。人々に「恐れなくてよい」と励まして、願いを聞き届けようという姿を表わしています。また、臨済宗と曹洞宗の釈迦如来は、座禅を組んだ膝の上で手のひらを上に向けて、左手の上に右手を重ね、親指の先を合わせています。法界定印(ほっかいじょういん)という印相で、深い瞑想に入られていることを示しています。
阿弥陀如来
阿弥陀如来のほとんどは、指で輪を作る印相を結んでおり、指の種類と手の位置によって往生の仕方を九段階で表しています。人差し指と親指で輪を作って、座禅した膝の上で合わせると上品上生印(じょうぼんじょうしょういん)、同じ指の形で右手を上げて左手を下げると下品上生印(げぼんじょうしょういん)といいます。阿弥陀如来が極楽浄土から迎えに来るときの姿なので、来迎印とも呼ばれています。また、浄土真宗本願寺派と真宗大谷派は、放射光背と呼ばれる48本の線で後光を表しています。天台宗と浄土宗は、舟型の唐草光背(からくさこうはい)という形で、延命長寿・子孫繁栄の願いが表現されています。
大日如来
大日如来は金剛界と胎蔵界という2つの世界を治めています。金剛界なら智拳印(ちけんいん)、胎蔵界なら法界定印(ほうかいじょういん)と結ぶ印相が決まっており、真言宗では金剛界の大日如来をお祀りします。智拳印は、両手とも親指を中にして拳を握り、左手の人差し指を立てて右手の中に入れたもので、偉大な知恵を表しています。また、冠や首飾りなど、華やかな宝飾品を身に付けているのも特徴です。
仏様の手の形を表わす印相には、他にも色々な種類があります。じっくりとご覧になって、そこに込められたメッセージを知ると、一層味わいが深まると思います。