合掌

1歳半になる甥っ子に、思わず感心させられました。

 

ついこの前までコロコロと寝転んでいる印象だったのが、久しぶりに会うと自由に歩けるようになっていました。とことこと、おぼつかない足取りで部屋中を歩きまわる姿はとても可愛らしいものです。

 

食べ物にも好みがあるようで、まだ話せなくても自分の意志をしっかりと表現します。

甥っ子はどうやら”おかき”が好物なようで、テーブルの上におかきがなくなると、両手を合わせてお辞儀をして大人達に「おかきを頂戴」とお願いをするのです。

 

合掌とお辞儀。

 

いったい、誰に習ったのでしょうか?

 

日本の文化に広く浸透した行儀で、手を合わせて頭を下げ敬いの姿勢を取る事を「合掌」といいます。

 

当たり前に行われているので、その理由までを考える事はあまりないかもしれません。

 

私達は、仏様の前に限らなくても、何かに向かって祈る時、ご飯を食べる時、お願いをする時、お詫びをする時、様々なシーンで手を合わせて念じます。

 

合掌は、宗教的な意味だけでなく、世界の至る所で自然に行われている行動のひとつです。

両手を胸の前で合わせて目を閉じると、落ち着いた素直な気持ちになりますね。

 

仏教では、右手は“清浄”を意味し、知恵や仏様、神様を表します。

左手は“不浄”を意味し、自分自身や世俗を表します。

左右相反した2つが1つになる事で、心を通い合わせる事を意味しています。

つまり、信じる事や調和を保つ事、敬う気持ちの象徴-それが合掌です。
気持ちを込めて手を合わせると、自然と頭が垂れますね。

改めて、とても美しい行儀だと思います。




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