モダン仏壇『コローレ』、10種の無垢材が織りなす美しい扉の秘密

松本の木工工房を訪ねて

四季の彩りを映すような寄木の扉が印象的な現代仏壇『コローレ』。その制作の舞台は、長野県松本市にある髙山家具製作所。木工の伝統と技術が息づく工房で、職人たちはどのようにこの仏壇を生み出したのか──。



社長の髙山正弘氏と髙山佳国氏、工場長の西澤和馬氏に話を伺いました。

『コローレ』紹介動画

山に囲まれた工房で

『コローレ』は、北アルプスの山々に囲まれた松本市にある髙山家具製作所で生まれました。創業以来、松本家具の伝統を礎に、寄木細工やオルゴールなど多彩なオーダーメイド家具を手がけてきた同社。代表を務めるのは、「現代の名工」の称号を持つ髙山正弘氏。信州木工会の名誉会長として、また後進の育成にも尽力する木工界の重鎮です。


「人がやらないことをやってきた」と語る髙山社長の言葉どおり、手がける家具はすべて一点もの。お客様と直接やりとりしながら、何度も試作・調整を重ね、心から納得できるものだけを形にしてきました。



▲以前制作されたオーダーメイドのタンス。引き出しのデザインや素材が一つひとつ異なる個性的な逸品。 

10種の無垢材をつなぐ、気の遠くなる作業

『コローレ』のいちばんの特徴は、なんといっても扉部分。じゃばら状に組まれた扉は、メープル、ナラ、カエデ、ウォールナットなど、10種類もの無垢材を使って構成されています。計54本もの板を繋げ、ほどき、調整し、繋げてまた調整…というと途方もない作業を繰り返して完成します。



製作を担う西澤工場長は「信州の名工」に選ばれた腕利きの木工職人。実際に作業する様子を見せていただきました。「じゃばらの裏までも見せる構造は今までにありません。仕上げや塗装はとても手がかかり、正直に言うと大変でした」と苦笑いしつつ、完成品を見て「我ながらよくできてるなと思います」と微笑みました。

仏壇づくりとの“ご縁”

髙山社長に、『コローレ』をどんなふうに使ってほしいですか?」と聞いてみました。「仏像や位牌だけでなく、例えば旅行先のお土産を飾る、思い出の品を入れるとか、色々なアイデアで自由に使って欲しい。洒落たケース、家宝のような感じでね。幅広い年代の多くの人に好かれる仏壇になってくれれば」。


もともと家具製作が中心の髙山家具製作所ですが、過去に一度だけ仏壇をオーダーで製作したことがあったそうです。今回の依頼に対して髙山社長は「不思議なご縁を感じた」と話します。「家具と仏壇では製作する上で気持ちの違いは勿論ある。使う人たちのことを考えて作るという点では同じだけど、仏壇の場合は『先祖様を祀る場所』という心構えで敬意を持って取り掛かるようにしている」。

細部まで伝わる、使い手へのまなざし

扉は軽やかな力でスッと持ち上がり、背面にくるりと回り込む構造。動きのなめらかさや、手にふれたときの感触に至るまで、細やかな配慮が施されています。寄木の模様は開いた状態でも美しく、室内のアクセントとしても魅力を放ちます。


職人の感性と、使う人へのまなざし。長年培った家具づくりの技術と哲学が、現代仏壇という新たな形に昇華された『コローレ』。それは、暮らしの中で“祈り”のあり方を自由に描いていくための、ひとつの提案です。


<商品ページ>
・コローレ

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このコラムについては
八木研の商品企画室に勤務し、商品の企画・デザイン・開発に関わっています。商品にまつわるこだわりや、開発の裏話など、カタログに収まりきらない情報を公開し、現代仏壇の魅力を伝えていけたら良いと思います。