お盆の服装って?法事・お墓参り・目的別マナーまとめ

お盆の服装は目的や立場で変わる

お盆の時期になると、帰省をして家族揃ってお墓参りに行くことや、お寺さんを招いて法要を行ったりすることがありますよね。そんな時に悩んでしまうのが服装のマナー。お盆の行事は目的や立場によって服装が変わるので、少し難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。「しっかり喪服を着ないとダメ?それとももう少しラフでもいい?」と、お盆間近にバタバタと慌てることが無いように、今回はお盆の服装について「目的」や「立場」別にしっかりと解説していきたいと思います。

お盆と初盆(新盆)の違い

お盆といえば、一部地域を除いて一般的には8月13日~16日の4日間を指しますが、その毎年くるお盆の中にも「初盆(新盆)」と呼ばれるものがあります。初盆というのは、故人様がなくなって四十九日の忌が明けてから迎える最初のお盆のことを言います。初盆の場合、普段のお盆とは異なり親族や親しい友人を招いて法要を執り行う場合があります。その場合お客様を招く側なのか、参列する側なのかで服装が変わります。

初盆に相応しい服装【親族側】

初盆に親族側として法要を行う場合の服装について、注意点を交えて解説したいと思います。

・男性の場合

黒礼服や正喪服が基本とされています。ネクタイや靴下、履物に関しては光沢のない黒色のものを選びます。ジャケットはシングルとダブルどちらでも問題ありません。夏場ですので、半袖のカッターシャツや夏用の通気性の良いスーツで体温調節を行うことをおすすめします。また、金属製のネクタイピンはマナー違反になりますので気を付けましょう。

・女性の場合

男性と同じく黒礼服や正喪服が基本となります。なるべく素肌を出さず、佇まいを整え故人を慎む服装というのが理想となります。肌の露出が少なく、風通しの良いワンピースタイプの喪服だと快適過ごすことが出来ます。ストッキングやパンプスは光沢のない黒色が好ましいです。

・子どもの場合

就学中の場合でしたら制服が正式な礼服になるので、わざわざ買ったりしないで大丈夫です。制服が明るく華やかなデザインであったとしてもマナー違反にはなりません。制服が無い場合は、大人と同様に暗い色のフォーマルウェアを着ます。男の子の場合は、黒やグレーのブレザーにズボン、白いシャツなど。女の子の場合は白のブラウスにスカート、もしくは黒やグレーのワンピースがマナーとして好ましいでしょう。一般の衣料店でも子ども向け礼服が販売されているので、そちらで準備すると安心ですね。

・アクセサリー

基本的に弔事や法要にはアクセサリーを付けないというのがもっとも良いマナーとされていますが、もし付けるのであれば一連のパールが良いでしょう。二連や三連のものもありますが、「悲しみが重なる」という意味とされるので避けましょう。天然パールは汗や皮脂に弱いため、着用する際は必ず「最後につけて、最初に外す」を心がけましょう。また着用後はメガネ拭きなどの柔らかい乾布で、上から下へ3回ほど布を滑らせふき取ると傷むことなくお使いいただけます。稀にパールのアクセサリーを付けないとダメと思われている方も居ますが、そのようなことはありません。オシャレさを重視するのではなく、葬儀に参列される全ての人に配慮し、思いやるマナーを重視しましょう。

初盆に相応しい服装【参列者側】

近年は準喪服、もしくは「平服」が一般的となっています。ここでいう平服は普段着ではなく略礼服を指しますので間違えないように注意が必要です。それでは平服(略礼服)について解説をします。

・男性の場合

濃いネイビーやダークグレーなどのダークスーツ、ブラックスーツが男性の略礼服とされており、それに白のワイシャツと黒のネクタイを合わせるのが基本です。黒礼服の時と同じく光沢のある履物は避けましょう。

・女性の場合

男性と同じく、ダーク色や黒色のワンピースやスーツが略礼服とされます。襟元の広がりすぎてない、露出の少ないものを選びましょう。ストッキングの色は黒とベージュどちらでも大丈夫です。

・子どもの場合

就学中であれば制服で大丈夫です。制服等が無い場合は、親族側の時と同様にモノトーンの上下で合わせましょう。靴は運動靴でも構いませんが、光沢のあるものは避けましょう。

なぜ喪服は黒なのか?

平安時代後期では、宮中の貴族は黒く染めた衣服を喪服として着用することを喪葬礼で定めていましたが、一般の市民には広まりませんでした。むしろ、白い布を藍に染めることがとても困難だったことや、古くから白色は「神の色」とされていたことから女性の正喪服にはまっしろな白無垢を用いられていました。その後第二次世界大戦が起こり、日本もその戦禍に見舞われると、だんだんと絹が不足し手に入らなくなっていきました。そこで、素材を問わず染めることが出来る「黒染め」のほうが便利なため、黒い喪服が普及していきました。そんな喪服の「黒色」は、普通の服の黒色とは違うというのはご存じでしょうか。特に正喪服の黒は、上質な生地に何度も黒を染め重ねた漆黒の色なのです。悲しみで潤んだ心を静かに包む喪の深い色とされており、普通に染められた黒色と並ぶとその差は歴然です。

初盆ではないお盆の服装

通常のお盆では特に細かい決まり事はありません。男性ですと落ち着いた色味のスーツ、女性ですとシンプルなフォーマルワンピースが良いでしょう。子どもの場合は大人と同様、シンプルで落ち着いた服装であれば普段着に近いものでも大丈夫です。心配なようでしたら、先方に訪ねたり夫婦や家族で話し合うと良いかもしれません。一人だけ派手になってしまったりと浮いてしまわないよう周りに合わせることも、マナーの一つです。

お墓参り

お墓参りについて、特に厳密な決まりなどはありません。だからこそ、押さえるべきポイントを説明していきます。

・普段のお墓参り

白や黒、紺やベージュなどの落ち着いたシンプルな服装を選びましょう。少し山道を歩かないといけない霊園も多いので、場所や天候に合わせた靴選びを優先すると良いでしょう。お子さんがおられる場合は、熱中症の恐れもあるため体温調整のしやすい服装を選びましょう。汗を多くかくため着替えも何枚かあると安心ですね。

・お墓を掃除する

お参りと一緒にお墓の掃除も行う場合は、動きやすく汚れても良い服装がおすすめです。また虫刺されや、長時間日光に当たる上での日焼けを防止するため、袖のある洋服だと安心です。最近ですと、UVカット機能がありながらも、速乾性のある素材を使用した長袖シャツもありますので、そういったものも是非ご活用ください。

女性の方ですと、お化粧品にウォータープルーフの機能があるものを使用すると、汗を多くかいたりしても化粧崩れの心配がなく安心です。

内容にあった正しい服装を着ましょう

お盆は故人様やご先祖様をお祀りする大切な行事です。通常のお盆であれば、特別大きな決まりごとはありません。ですが初盆というのは、故人様がなくなられてから四十九日のあとに初めて迎えるお盆ですので、そのような場に相応しい装いをする必要があります。たとえば女性の正喪服ですと、故人の前で手を合わせたときに手首が出ないよう少しジャケットの袖が長く作られていたり、椅子に座ったときに膝が出てしまわないようなスカートの丈になっていたりと、相応しい装いには相応しい理由があります。それをしっかりと理解した上でもう一度お盆の装いやマナーと向き合ってみると、自然と自分の着るべき服装が見えてくるかもしれません。昔の人が大切にしてきた相手を思いやる気持ちを、お盆の服装を通して次の世代へと繋いで行きたいですね。
お盆のこと

無料カタログのご案内

catalogイメージカタログイメージ

画面上ですぐにご覧いただけるデジタルカタログと
無料でお届けするセレクションカタログの
2種類をご用意しました。

住まいに合う仏壇選びに、ぜひご利用ください。

お電話でのご請求

0120-596-910

(受付時間/午前11時~午後6時 年末年始は除く)

このコラムについては
八木研の広報企画室勤務。働くママ目線で、お客様の役立つ情報を発信していきたいです。