お盆のお供えにおけるのし紙のマナー・書き方を解説

お供え物を贈るときのポイント

お盆が近づいてきました。帰省をする際、法事に行く際、あるいは喪中はがきが届いたときにお供えの品物を贈る場面もあるかと思います。先祖、故人やご家族の方に失礼にあたらないよう、知識として事前に知って準備をしておけば購入の際にも慌てず済みます。
こちらの記事では、供物を贈る際のマナーや注意事項を解説していきます。基本を押さえれば難しい話ではありませんので、参考にしてみてください。

お供え物を贈る際のポイント

①お供えには「掛け紙」をかける

何故掛け紙をかけるのでしょうか?品物をそのままむき出しに贈るのは忍びないと、綺麗な紙で包み「未開封である」「人と人を結びつける」「魔除け」という意味を持つ水引をあしらった風習が基になります。近年では水引を印刷している掛け紙が一般的ですが、相手のことを大切に想う気づかいは変わりません。

掛け紙とのし紙の違い

■掛け紙とのし紙の違い
「熨斗(のし)紙」は慶事の贈り物に添えるもので、弔事のお供えには使いません。弔事の際は「掛け紙」と呼びます。掛け紙には「熨斗」はなく、水引の形や色も異なります。販売店で「表書き(おもてがき)」、いわゆる「お供えの理由」「差出人」を伝えれば作成してもらえるので、あまり心配せずとも大丈夫です。

②「掛け紙」の種類について知る

■水引の種類
掛け紙に用いられている飾り紐を「水引(みずひき)」と言います。種類があるとどれを選ぶべきなのか迷いますよね。選び方を間違えると、相手の方に失礼なことになる場合もありますので注意が必要です。弔事のお供えに使用する水引をまとめて紹介します。

●結び切り
「結び切り」
一度結ぶと引っ張ってもほどけない結び方から、「二度と繰り返さないように」という意味を持ちます。弔事以外にも、結婚祝いや快気祝いの贈答にも使われます。

●あわじ結び
「あわじ結び」
両端を引っ張ると固く結ばれ解けない結び方で、「お互いに末永いお付き合いを」という意味があります。慶事・弔事どちらにもよく使われます。

関東と関西の水引の色の違い
また水引は、関東では黒白(あるいは青白)、関西と一部地域では黄白が一般的、というように地域によって色の組み合わせが異なります。マナー違反ということにはなりませんが、地域の風習に合わせ、確認していただいてから選ぶのが無難でしょう。双銀の水引は高価格なものを包むときに使います。尚紅白は慶事に用いられる色ですので弔事には使用しません。
掛け紙に蓮の花を書いたものもありますが、こちらは仏教用。蓮の花はないタイプは、宗教(神道やキリスト教など)・地域問わず使えます。
蓮の花のある掛け紙

③「掛け紙」に記入する文字を確認する

■表書きの書き方と一覧
掛け紙に記載する文字を「表書き」と呼びます。内容は、それぞれ送り先や理由に合わせてお選びください。自分では分からない場合は販売店に相談するのが良いでしょう。最近では手書きではなく印刷で対応することが多いですが、特に問題はありません。

【主な表書きの種類】
主な表書きの種類
●御供(おそなえ):時を選ばず仏事全般に用いることができます。
●御霊前(ごれいぜん):四十九日の法要前に使用。浄土真宗では使いません。
●御仏前(ごぶつぜん):四十九日の法要後に使用。「御佛前」と書く場合も。
●喪中御見舞:喪中はがきでお悔やみを知った際に使用。
●新盆御見舞:新盆(初盆)の場合。新盆とは四十九日後の初めてのお盆のこと。
●志(こころざし):忌明けの香典返しで使用。

【名入れ】
名入れの例(一人書きの場合)
差出人の名前は水引の下に記入します。差出人が分かるようフルネームで入れることが多いです。会社名や肩書を入れる場合は、社名を書いた左側に役職・氏名の順で入れます。文字のサイズは名前>社名>肩書きの順に大きくします。

■連名の名入れについて
名入れの例(連名の場合)
●夫婦の場合:夫はフルネーム、妻はその左側に名前のみを入れます。
●3名以上の場合:右側より役職・ご年齢が高い順に書きます。役職などがない際は、五十音順で書く場合もあります。
●4名以上の場合:代表の名前を書き、左側に「外(他)一同」と記入するのが一般的です。例外として送り先との関係や贈る品物によっては、人数が多い場合でも全員分名入れ対応することもあります。悩まれる場合は、こちらも販売店にご相談をおすすめします。

また掛け紙の文字が黒ではなく「薄墨」で書かれることがあります。理由については「突然亡くなったことで急いで駆け付けるため、十分墨をすることができなかった」「悲しみの涙で墨が薄くなった」等諸説ありますが、共通するのは「悲しみの気持ちを表すため」ということです。しかし一部の宗派・地域の習慣によっては「濃墨(黒)のみ」「四十九日前は薄墨、四十九日後は濃墨」ということもありますので、濃墨だからと必ずしも失礼にあたるわけではありません。
ただ「表書きと名入れの墨の色が異なる」ことはマナー違反となりますのでこの点はご注意ください。もしご自身で書かれる際は、最近では薄墨用の筆ペンが販売されているので、それを活用するのもいいでしょう。

外掛け・内掛け(外のし・内のし)とは

外掛け・内掛けの違いですが、外掛けは包装した上から掛け紙をかけることです。内掛けはその逆で、品物に掛け紙をかけた上から包装すること。どちらが正しいという決まりはありませんが、特にお盆など受取が多くなる時期は、誰がどういった理由で渡したのかかすぐ分かるよう、ご遺族への配慮として外掛けを選ばれることをおすすめしています。

新盆のお供え物を送るタイミング

新盆の法要に招かれた際は、香典やお供えを贈ります。直接挨拶に伺うのが難しいときは、お盆の一週間~前日までに届くよう郵送するのが一般的。ただお相手方も新盆の準備で忙しいでしょうから、余裕を持って準備することを推奨します。注意点は、忌明け法要前にお盆を迎えた場合は「新盆」は翌年になること。四十九日が過ぎていれば大丈夫です。

お盆のお供えの相場と選び方

一般的な相場は3000円~5000円とされていますが、親族、友人など近しい間柄だったり、法要の席で食事が出る際はそれより高い金額(10000円程度)のお品物や香典をお包みすることもあります。

八木研のオンラインショップ並びに直営店舗「ギャラリーメモリア」では仏壇仏具の他にも、幅広い価格帯の進物用線香やローソクなども取り扱っており、包装・掛け紙の無料サービスも承っています。直接お渡しできない場合は、店舗より郵送で送ることも可能です。ギャラリーメモリアの店舗では供え物を購入する際に、手紙をご持参されるお客様もいらっしゃいます。実店舗より発送する場合は一緒に包むこともできますので、来店前に用意されてもいいかもしれません。

お盆の飾り方の例

線香は渡す人が多そうだし…という方には他にも、モダンな盆提灯や最近人気の食べ物・果物・お菓子を模したちりめん飾りのお供えといった供養関連の商品もございます。実際、新盆の方には白の提灯を贈るという風習がある地域では、贈られる方も毎年いらっしゃいます。何を送るかのお悩みでも是非お気軽にご相談ください。

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▲盆提灯やお盆のお供え、飾り方についての詳細はこちらの特集ページからご覧いただけます。
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