季節の花をお供えに

春ごろのこと。庭の片隅に、まっすぐ伸びた茎と細長い葉をつけた植物を見つけたので、少し陽のあたる場所へ移し替えました。

暑い夏も終わり、少し冷え込みはじめてきた秋。朝刊をポストから取って戻る途中、ばったりと美しい花に出会いました。早朝の肌寒い空気に凛とした立ち姿が綺麗で思わず見とれてしまいました。

しばらくボーっと眺めていて「そうか、あの時の・・・。」と思い出しました。植え替えたことをすっかり忘れていたため、あの緑のひょろ長かった植物が咲いたことにようやく気が付いたのです。あまりに思い掛けなかったので、自然から贈りものを受け取ったような気持ちになって、つい口元が緩みます。さわやかな一日の始まりになりました。早速、一輪をお仏壇にお供えをしてご先祖様に花のお便りをお届けしました。

植物図鑑で調べたところ、ササユリじゃないかと思います。中部以西から九州にかけての丘陵地や山地で6月と7月に咲くとありますが、初秋の庭に開花しました。種や苗を植えた記憶はないので自生したのでしょうか？

ササユリはユリ科ユリ属の多年草で、葉っぱの形が「笹」みたいだから「笹百合」の名前がついているとのこと。見た目だけで笹とは系統が違うようですが、爽やかな香りも笹っぽい気がします。花言葉は「上品」「清浄」なのでお仏壇のお供えにはぴったりの花ですね。

白い花はモダンなガラス製の仏具に組み合わせると、清楚なイメージが合わさって素敵です。仏具をお選びになるときは、好きな花の色をイメージして挿した時を想像してみてはいかがでしょうか。

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