仏壇屋さんがお薦めする5冊 ~心のケアと命の教育~

赤や黄に色付いた紅葉を楽しむ間もなく、初雪が降り始めた地域もあるほど、すっかり寒くなって冬を感じはじめました。

Facebook『Yagikenノート』でご紹介していた【読書の秋特集】の本について興味を持たれた方が多かったので、こちらで一挙にご紹介したいと思います。

子供たちと命の尊さを考えるために、大切な方とお別れした悲しみと向き合うために、本は簡単に言葉にできないようなこと、解決できないようなことを、ご自身のペースで読み進めていただけるのに良いものです。仏壇屋さんである私が、個人的におすすめするこの5冊。ぜひ、おうちでゆっくり過ごす時間も多くなるこの季節に読んでみてはいかがでしょうか。

『かないくん』(詩・谷川俊太郎、絵・松本大洋)

子供の身近で起こった「死」を通しての物語が、詩と挿絵で構成された美しい絵本です。“死んじゃったのにずっといる”こと、“死ぬとどうなるの?”という疑問や不安を抱きながらも、いつも通り時間は流れ、自分は今生きている。言葉や絵の余白から、ゆっくりと心に響いてきて、自分や大事な人を想う、気持ちの奥まで届く作品です。

『さよならのあとで』(著:ヘンリー・スコット・ホランド、絵:高橋和枝、出版社:夏葉社)

「死はなんでもないものです。私はただ となりの部屋にそっと移っただけ。私は今でも私のまま あなたは今でもあなたのまま。」亡くなった人から、残された大切な人へ語り掛るようなことば。42行、1編の詩を1冊の本にまとめたものです。

さよならのあとで、やさしく心に寄り添ってくれるような本。大切な人が、ずっと心の中に生き続けることへの祈りの詩だと感じます。

『うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん』(作・絵 ディック・ブルーナ 福音館書店)

たくさんの人に愛されているキャラクター、うさぎのミッフィーの絵本に、おばあちゃんの死を通してのお話があるのをご存じですか?大切な人が永遠の眠りについて悲しいという気持ちや、周りの人の様子、送り出す時の様子によってお話が進んでいきます。そしてミッフィーは、お墓をおばあちゃんの大好きだったお花でいっぱいにしてあげます。語り掛けると、ちゃんとおばあちゃんが聞いてくれていることがわかります。

国がちがっても、大切な人を弔う気持ちを子供たちにも分かりやすく伝える絵本となっています。

『寿命図鑑』(いろは出版)

植物や動物、人間、そして日用品から建物、天体まで、数多くの寿命をまとめた図鑑です。かわいいイラストとエピソードを読み進めていくと、へぇ~!そうなんだ!と関心する一方、全てのものに寿命があることへの寂しさと、寿命があるからこそ大事に思えるものがあることに気が付きます。子供から大人まで、読んで楽しめる一冊です。

『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ/ブロンズ新社)

ぼくが死んだおじいちゃんの部屋で見つけた1冊のノート。そこには、おじいちゃんが描いた天国での楽しい暮らし、生まれ変わったらなりたいものなど、ちょっとウキウキするような世界が広がっていた。なんだかおじいちゃん、楽しそう。それとも…?

なかなか誰かに話すことがない、「将来死んだらどうしちゃいたい?」のお話。もっと自由に、ユーモアも交えて、家族で死生観を語り合う。気持ちをつなぐために、きっと必要なことですね。これはそのきっかけを与えてくれる本です。
ご紹介した本は全て「大切な人との別れ」が軸となったテーマです。大切な人を亡くされた人にとってはグリーフケアとして、そうでない人にとっては大切なことを思い出す、やさしく、自身で考える余白をのこした読みやすい本ばかりです。

死を話題にすることは縁起でもない!などとも言われますが、今いるわたしたちが、より良い今日を生きるため、このような絵や物語を通して時々自分なりに考えることは、自分の時間や大切な人との関わりを見直したり、感謝したりするきっかけになる大切なことなのではないでしょうか。

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八木研の商品企画室に勤務し、商品の企画・デザイン・開発に関わっています。商品にまつわるこだわりや、開発の裏話など、カタログに収まりきらない情報を公開し、現代仏壇の魅力を伝えていけたら良いと思います。