モダン仏壇制作のエキスパート、人気の仏壇『ショコラ』の製作現場
クラフト感あふれるおしゃれな扉『ショコラ』

暮らしに自然と馴染む、コンパクトで美しい仏壇をお探しの方へ。今回ご紹介するのは、182個ものウォールナット無垢材を組み合わせてつくられた扉が印象的な、上置きタイプの現代仏壇『ショコラ』です。
職人が一つひとつ異なる木目と高さのパーツを手作業で配置したその扉は、開けても閉めてもまるでインテリアのような美しさ。奥行30cm以下というスリムな設計で、マンションやリビングなど限られたスペースにも設置しやすく、現代の住まいにもぴったりです。さらに、取り外し可能な須弥壇(しゅみだん)でお掃除がしやすく、線香や念珠などをしまえる引き出しも備えているなど、使いやすさにもこだわりました。
この美しい扉をつくるには、確かな木材の目利きと、緻密な手仕事が欠かせません。そんな技術と情熱を持つ職人がいる工場へ、実際に足を運んでみました。
工場紹介動画
『ショコラ』は、株式会社新木コーポレーションで製作されています。今回はその製作現場を訪ね、実際の工程や職人の手仕事を取材・撮影させていただきました。クラフト感あふれる扉がどのようにして生まれているのか、ぜひその様子をご覧ください。
最も多くの現代仏壇を担う、仏壇製作のエキスパート

鳥取県にある株式会社新木コーポレーション。6,315㎡もの広さを誇る工場には、約80台の機械とさまざまな種類の木材が並んでいました。工場では約30名の職人が働いており、業界では珍しく30代の若い世代も多く活躍されているとのこと。
創業は昭和7年にまでさかのぼり、当時は「木に関するものであれば何でも請け負う家具メーカーだった」と代表取締役の新木雅章氏。昭和30年頃からは高級婚礼家具のメーカーとして販路を拡大され、現在では培ってきた高い技術力を活かして、公共施設やホテル・カフェなどの特注家具を中心に製造されています。
現代仏壇の製作には平成6年から携わっており、『ショコラ』をはじめ、スタイリッシュな仏壇『アルデバラン』『ガラ』、さらに『ルピナス』『セダム』といった定番のロングセラーまで、幅広いデザインとサイズの仏壇を数多く手がけています。
新木氏は当初を振り返り、「現代仏壇の検査は厳しいけれど、当社の婚礼家具も品質重視で作っていたから、基準が合ったのではないかな」とお話しに。
新木コーポレーションの強みのひとつに、コンピューター制御による充実した設備環境があります。これらの機械設備により職人が安全に作業できるだけでなく、安定した品質のものづくりを実現しています。
また、家具の産地として知られる旭川や飛騨のように、分業を担う外部の専門業者が周囲に存在しないものの前述の機械設備と、それを扱って加工ができる職人が揃っているため、製作の最初から最後までをすべて自社で完結できる点も大きな強みとなっています。
「高い品質が求められるため、小さな傷や凹みがないか、各工程で厳しくチェックしています。また仏壇は部材の数が多く、わずかな誤差でも組み立てが困難になることがあるため、各部の寸法精度は非常にシビアです」と、新木氏は一般的な家具と現代仏壇を製作するうえでの違いについて教えてくださいました。
高い精度が求められる『ショコラ』の扉

現場で製作を担当している製造部課長・泉洸太氏にお話を伺いました。『ショコラ』の扉は品質を一定に保つため、泉氏が一人で作業を行っています。1ロットあたりに使用する無垢材のパーツは、なんと3,700個にも及びます。
実際に見学すると、職人の技量によって仕上がりが大きく左右されることを強く感じました。泉氏によれば、「一つひとつパーツを確認しながら作業を進めるので、機械だけではできない仕事です」とのこと。多くの小さなパーツを組み上げるため、切り出す際の寸法がほんのわずかでも狂うと、すべてを組み終えたときに大きな誤差となって表れます。「木材は人工乾燥させていますが、それでも無垢材は生きているので、多少は伸縮します。都度チェックが必要です」
寸法だけでなく、パーツの凹凸や木目も確認しながら組み合わせていきます。木目の柄はひとつひとつ異なるため、全体のバランスを整えるには繊細な感覚と、職人ならではの目利きが求められます。「高い精度が求められますし、かなり根気のいる作業です」とも語ってくださいました。
こうした作業は、まさに職人としての技術と感性、そして粘り強さが必要とされる“手仕事の集大成”であることが伝わってきました。



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八木研の商品企画室に勤務し、商品の企画・デザイン・開発に関わっています。商品にまつわるこだわりや、開発の裏話など、カタログに収まりきらない情報を公開し、現代仏壇の魅力を伝えていけたら良いと思います。